Blow of wolf-狼の一撃-

 ちょっとした出来事から不死になったそうだが、ちょっとした事で不死になるなんて運がいいのか悪いのかと悩まずにはいられない。

「死なないならまだしも、死ねなくなるのは勘弁したいね」

「もっともだ」

 肩をすくめた男にもう一人の男も同意する。

「でも、綺麗なひとですね」

 青年は溜息混じりに発した。

「女だったら口説いてる」

 男の言葉に青年も頷く。

 泉という男が彼に狙いを定めるのも、なんとなく解る気がした。

 そもそも泉は元々ゲイであって、青年のようにベリルだからという訳ではない。

 それも質の悪いタイプで、好みの男に片っ端から言い寄って手を出していた。