「お前は知らないんだっけか。あいつゲイなんだよ」

「えぇっ!?」

 青年はギョッとして遠目からでもその体格の良さが窺える男を凝視した。

「あいつの趣味は割と有名なんだぜ」

「まあ指折りのブラスト・マニアだからだけどな」

「え、あの人がですか?」

 青年の目が羨望の眼差しに変わる。

 ブラスト・マニアとは爆発物に長けた者を差し、泉はその中でも一目置かれる存在だ。

「あの、それと、本当に彼は不死なんですか?」

「お前質問ばっかりだな、まあいいけど」

 まだ二十代に入ったばかりの青年は傭兵としても新人で知らない事の方が多かった。