抜ける空の下、アスファルトの道路やコンクリートのビルが広がっていた。

 街のはずれにある白い壁の一戸建ての脇に男たちが十人ほど集まっていた。

 駐車場には麻のテントが張られ、泉は日陰にいる数人の中に一人の影を見つける。
 時刻はすでに昼を回ったところか、足取り軽く気配を殺して近づく。

 目指す人物は他の男と会話をしていて気がつかないのか、泉に視線を向ける事はなかった。

 そうして背後まで接近すると、

「よく来た」

 振り向かずに応えられ泉は口の中で舌打ちした。

 やや下げた視線に映る短い金の髪は少しの風にも揺れるほど柔らかく、細身の体は実に抱きしめやすそうだ。

 ここに集まっている者たちは皆、ベリルの要請を受けて集まった傭兵である。