鋭い眼差しと整った面持ち、百八十五センチの長身に鍛えている事を窺わせるがっしりとした筋肉が、ただの飾りではない男の強さを示していた。

 防音設備の整えられたマンションの最上階、見た目では解らないが部屋にあるもののほとんどは防火性に優れている。

 精密工具で五センチほどの四角い箱をいじる。

 透明のプラスティックで出来た箱の中には小さな金属の部品が詰め込まれていて赤と青のコードが二本、箱から出ていた。

 時折、精密眼鏡を装着し正しく配置されているかを確認している。

 冷めたコーヒーを口に含み、置き時計に目を移す。

 気がつけば十時をとうにまわっていた。