Blow of wolf-狼の一撃-

 やや傾きかけた日差しは丁度、倉庫の窓に差し込む状態だ。

 それを確認した泉は壁に背中を預けて端末を見下ろす。

 シャッターの閉じられた暗い倉庫の中は電気ランタンでも点しているのだろうか、真ん中辺りが明るい。

 窓の壁側には木箱や段ボール箱が詰まれているらしく、窓からの視界はあまり良いとは言えない。

 音を聞き取りながら画面の拡大と縮小を繰り返した。

「さて、どうするか」

 泉は思案した。

 暗闇に乗じて潜入し遂行する事が最も効率良く危険も回避出来る。

 遂行するのは構わないが、不完全燃焼的なものに不満げな舌打ちをした。

 まあ五人ぶちのめせるのだから良しとするかと携帯端末を仕舞い、入り口の方に回り込む。