Blow of wolf-狼の一撃-

「あ~はいはい」

 面倒そうに返事をし、震えている端末をスライドした。

「どうだ? ──あん?」

<その集団自体はさしたるものではない。しかし、薬を買っていた先に問題がある>

 良く通る声が泉の耳に伝わる。

 その声は、泉にとって何度聞いても足りないくらいに心地よい。

「そいつらがいる場所は解ったのか」

<埠頭にある倉庫。番号は──>

「助かった。サンクス」

 通話を止め、リビングテーブルに置かれている封筒を手にする。

 中身を確認すると小さく舌打ちした。