【短編】もしもし?あたしの声、聞こえてる?


小雪→麻未

「小雪ー?」

「エムッエーッエムッアイッ!まみまみまみ!」

「訳のわからない挨拶ありがとうございます。今日も雲井智也に告ったの?」

「うんっ!でも振られちゃった」

「またー?もうダメだよ。諦めなさい」

「ううん。あたしは明日も告白するつもりだし、智也の声を聞けただけでも嬉しいし」

「いいねーそういう些細なことで幸せ感じちゃう子」

「些細じゃないよー。すっごい幸せだよ!」

「でも付き合えたら幸せじゃない?」

「うんっ!幸せ!」

「じゃあさ、五十嵐先輩と付き合っちゃいなよ!小雪に優しくしてくれると思うし、小雪も誰かと付き合った方が幸せだと思うし。先輩にお昼誘われたんでしょ?」

「でもー、智也が好きなのっ!」

「アンタさー、いい加減気付きなよ。叶わない片想いだって」

「叶わなくないよー。信じてれば夢は叶うって言うじゃん。だからあたしは智也が好きになるのを信じてるの」

「信じてれば夢は叶うなんて、迷信だって」

「迷信じゃないってー」

「そんな夢見てたら、いつか雲井が他の子と付き合って、結婚しちゃうよ。7年後位にさ、雲井から手紙来るの。『僕とかよ子さんの結婚式に来てください』って」

「そんな事無いって。かよ子さんとか、面白いなー」

「面白い?アンタ傷つくよ」

「それでもいいよ。智也が幸せだったらあたしも幸せ」

「いーや。絶対傷つくよ。私嫌だよ。小雪が悲しむ所は見たくないよ」

「ありがと麻未。でも私、今が幸せだったらそれでいいの。いっつも後の事を考えてたら幸せを感じる時間は減っちゃうでしょ?もちろん、来年から大学の事をちゃんと考えるけど、今は精一杯幸せを感じたいの」

「はぁ。頑固ね。まったく」

「えっへへ」

「でもね、小雪はね、押し過ぎなの。たまには引いたり、恋の駆け引きをしないと」

「あたしにはそんな細かい技出来ないって」

「わかったわ。じゃあね。そろそろ晩御飯だから」

「うん!ありがとー」