ち……待たせやがって。無口な奴かよ。嫌いだな。クールなつもりかよ?
と思う充。
何なんだ。この横暴な応対は。女の子には優しく、同性には厳しくか。裏表があるタイプだな。
と冷静に充を分析する龍二。
「本名だと危ないよ。充。もっとも、学校の同級生に本名を知られると返事をするのが大変だからさ」
その龍二の言葉を聞いて、充は怒りで顔を歪めた。
そして、濁流の如く汚い言葉を投げつけた。
「俺は甲子園にもう少しで出られた男なんだぜ! しかも学年も上だ。敬語を使え!」
と言葉を返す充。既に龍二の話とは全く関係ない。
会話が噛み合わず苦笑する龍二。
怒りのあまりタメ口になってたか。
仕方ない。話は余り分かるタイプじゃないな。
いきなり本題に行くか。
あの謎の存在の。
「分かりました。話は変わりますが、入手不明のアバターを着ていて、友達検索不可能の男を知りませんか? 俺はソイツのページに行った途端に寒気がしました。丁度今のように……え……おい! 誰だお前は! どっから入った!?」
「おい! どうした龍二!」
ドガ、ドンと大きな音が鳴り、ドタドタと激しい足音が聞こえた。

