私が好きなのはキミだけだから。




バタンと扉が閉まると、図書室には私一人だけ


「ふう………」


正直、告白を断るのは初めてじゃない

だけど、断ることがこんなに苦しかったのは初めてだった



でも、まだこれで事が解決したわけじゃない


一番大変なのはここからなのは分かってる


でも、ここでくよくよしてたらどんどん引き延ばしになるだけで何も解決しない

だから、もうやると決めた今、絶対に想いを伝えたい


棗からしてみれば、他の男を振った直後になんだよって思うかもしれないし、今更何の用だって感じかもしれないけど、このままで終わらせたくない



カバンからスマホを取り出し、電話帳の"日向 棗"を開く


電話番号の上まで指を持っていくところまではできるんだけど、



「出てくれる、かな……」



出てもらえなかったとしても、明日学校で直接声をかけるだけだけど


さすがにメンタルやられるな……




「電話かけて、明日話したいことがあるって伝えて、気持ちを伝えて……」



このシュミレーションを今日まで何回も何回も頭の中でリピートしてきた


そしていつも最後の一歩が踏み出せなくて、電話帳止まり



「よし………」



今日こそは、と意を決して電話帳の中にある愛おしい人の名前をタップする


ーーーーープルルルル



……………え?