私が好きなのはキミだけだから。




「ほーら、笑って?」


「…………っ、うん」



今の私、すっごいブサイクだろうな


でも、入江くんの優しさが痛いほど伝わってくるから


それを無駄にしないように、涙が目に溜まったままだけど笑った



「うん、やっぱ笑ってた方がいいよ」


爽やかな笑顔だから違和感ないけど、そのセリフ………


「少女漫画に出てきそうなセリフだね」


おかしくてつい笑っちゃう



すると、入江くんも一瞬目を伏せてから「読んだことねーし、知らねーよ」と言って笑った



「じゃあ、俺はそろそろ帰ろっかな」



「引き留めちゃってごめんね!話聞いてくれてありがとう」



「ううん、これで俺も吹っ切れるから」



"振ってくれてありがとな"


そう言い残して彼は図書室から出て行った