私が好きなのはキミだけだから。




来たのは人気のない図書室


普段は自習で使われることあるけど始業式の今日には誰もいなかった



二人きりの空間に沈黙が流れて、それが余計に私を緊張させた


人の告白を断るのは初めてじゃないけど、こんなに苦しいと思ったのは初めてだ




「で、俺は今から振られるの?」


「えっ?」



まさかこんな直球で言われるとは思わなくて、思わずうつむいていた顔を上げた



「だって、今日俺が呼ばれた理由はこれでしょ?」


違うって言ってくれたらうれしいけど、なんて茶化すけどそんな心遣いに気づかないほど私も馬鹿じゃない



「……ごめんなさい。すごく嬉しかったよ、入江くんの気持ち」


これだけはどうしても伝えたかった


夏祭りだって、入江くんが連れ出してくれなかったらきっとあのまま立ち尽くして何もできなかった