「………ありがとう」
頑張って笑いをこらえて言ったつもりだったんだけど、
「何笑ってんだよ」
あっさりと見破られてしまったみたいで、むすっとした顔で入江くんが言った
だって………
「入江くん、耳まで真っ赤なんだもん」
そう言うと、さらに真っ赤になったから、堪え切れなくて笑ってしまった
「ほんと、誰のせいだと思ってんだよ………」
「ん?」
「あ、いや、なんでもない」
入江くんの顔の熱はやっと冷めたようで、いよいよたくさん並ぶ屋台へと進んでいった
「とりあえず、綿あめでいい?」
「うん!」
最初に、綿あめを売るお店を目指して歩きだした

