私が好きなのはキミだけだから。



「じゃ、そーゆーことで!恭平、上原さんをよろしく!」


最後にウインクまでして、入江くんの「は?いや、待てよ!」という呼びかけも虚しく梨花の手を引いて行ってしまった



「まじかよ………」


「あ、えっと……ごめんね?」



中山くんと二人のつもりだったのが急に私とだなんて、すごく申し訳ない……


でも、入江くんは


「………は?」


意味がわからないと言いたげな顔で「なんで謝んの?」と言った



「なんでって………私と二人が嫌なんだよね?だから、申し訳ないなって……」


「え!?そんなわけねーじゃん!むしろ俺は嬉しいっていうか………」



そこまで言うと、ハッとした顔で手で口を押さえた


どうしたんだろ?



「ま、まあとにかく、上原さんと行くのは全然嫌じゃない、から………」



入江くんは片手を首に当ててうつむいてそう言った