私が好きなのはキミだけだから。





「すごい人だね………」


花火大会が行われる川の近くまで行くと、そこにはたくさんの屋台と人であふれていた



「上原さん達、何食べたい?」


「うーん……私はわたあめかな」


でも、入江くんが「上原さんらしいね」と言って笑ったから、ちょっと子供っぽすぎたかなって思って恥ずかしくなった



「梨花は?」


「りんご飴!」


満面の笑みでそう言った梨花を見て、去年もりんご飴を美味しそうに食べてたことを思い出した


でも、あの人の量だと4人で歩くのは大変そう………



そんなことを考えていると、中山くんが「俺、またまたいいこと思いついちゃったー♪」と最後に音符でもつきそうな勢いで言った



「また突拍子も無いこと言うなよ?」


「で、なによ。何を思いついたの?」


2人に対して「聞きたい?」と得意げな顔をしつつ、「二手に分かれりゃいいんだよ!」と自信満々に言った



しかし、その自信は「それ、多分誰でも思いつくんじゃない?」という梨花の言葉によって崩壊した


中山くん………ドンマイ



でも、確かにそれなら行動しやすいかもしれない



「私はそれでいいよ」


「私もそれでいいけど」