たどり着いたのは第二音楽室だった
第一音楽室が作られてからずっと使われてないらしい
ちょっと前まで、ヒロ兄のことを思い出してはここへ来て1人で泣いていた
その癖で、今日も無意識にここへ来ていた
「はあ…………」
まだ登校してきている生徒も少なくて泣いているところは誰にも見られてない……と思う
部屋の壁にもたれかかって座ると、壁の冷たさが頭を冷やしてくれる
「棗…………なんで?」
でも、そのせいで余計にあれが真実なんだって思い知らされてしまう
あの教室での出来事が頭から離れない……
目頭が熱くなって、目の前がぼやけてくる
さっきあんなに泣いたのに………
そのとき、ガラガラッとドアが開く音がした
ここなら誰も来ないと思ってたのに……
早く隠れなきゃ!
多分今の私の顔は涙で酷いことになってると思うし………

