教室の近くまで行くと、私のクラスだけ電気がついていた
もう誰かいるのかな?
「………めん、俺………」
「…………棗?」
なにを言っているかは分からなかったけど、かすかに棗の声が聞こえた
「え……………」
教室の中を見た瞬間、私は訳が分からなくなってそのまま駆け出していた
「上原さん!」
後ろから入江くんが私を呼ぶ声が聞こえたけど、立ち止まることはできなかった
ただただ、さっき見た光景を忘れたくて…………
頬には涙が伝っていた
「ふっ……ぅ………」
なんであんなところ見ちゃったんだろう
棗が、女の子を抱きしめているところなんて…………

