「俺、めいのことが好きだよ」
予想もしていなかった棗の言葉に、一瞬思考回路が停止した
棗が私のことを…………好き?
「出会って最初の日に、惚れたほうが負けっていう賭けをしようって言ったの、覚えてる?」
う、うん…………
あのときは絶対にこんな腹黒王子に負けたくないって意地だけで賭けを受けちゃったんだよね
「………俺の負けだよ。俺、めいが好き。めいに惚れたよ」
顔がだんだん熱くなっていく
私、今絶対真っ赤だよ…
「めいは、俺のこと…………好き?」
首を傾げて私をみつめる棗
……………わかってるくせに
「いじわる……」
棗に聞こえないように小さい声で呟いたつもりが、棗には聞こえてしまったようで
「いじわる?…………へえ、そんなこと言うんだ。今の告白、取り消そうかな」
え!?
「それはだめ!私も棗のことす……!」
"棗のこと好きだもん"

