私が好きなのはキミだけだから。



「もし泣かされたら、俺が慰めてやるよ」


「縁起でもないこと言わないでよ!」



ヒロ兄、昔よりちょっと意地悪になったな



「冗談だよ、冗談」


ヒロ兄はふくれる私をみて笑いながら言った


もう、笑い事じゃないのに…………



「めい、そろそろホテルに戻ったら?ずっと外にいると風邪引くぞ」



時計を見ると、すでに9時になろうとしていた



「じゃあそろそろ行くね。ヒロ兄は?」



「俺は………もう少しここにいようかな」



また切ない顔…………



「わかった。たまには家に帰ってきてね?お母さんたち、さみしがってるから」



「ん、りょーかい。じゃーな」


「うん、またね」



そして私はヒロ兄に背を向けて歩き出した