「キミ……大丈夫?」 腰を支えられているから、顔の距離がすごく近くて、 少し動けば鼻が触れてしまいそうだった。 「いやっ」 そう言って私は彼を突き飛ばしてしまった。 彼も、彼の取り巻きの女子も、ぽかーんとした顔で私を見ている。 「あ、いや、その……ありがとうございました」 その視線に耐えられなくなって、私はぺこりと頭を下げて全速力で教室を出た。