「はぁ・・・」



 私の口から出てきたのは、溜息だった。



「空気、読むようにしなさい」


「・・・はい」



「返事遅いけど?」



「はい、気を付けます」



 ・・・ところでさぁ。



「片目見えていないのに、運転できるなんて、凄いわね。
学校でも足を怪我している風には見えなかったし」



「見えないよう振舞うのが執事だと、隆也様に教わりましたので」



「大変じゃないの?
疲れたんじゃない?
体力とか使いそうだもの。

帰ったら休んで良いわよ」



「お気遣いありがとうございます。
でも、わたくしには無用です」



 アッサリと突き放される。



「・・・大丈夫?
無理されても困るんだけど?」



「無理などしておりません。
これが執事だと、教わっておりますので」



 またあのお父様か。