・・・あのさ涼馬くん。



「言って良いことと悪いことがあるでしょう!?」



 授業中ということも忘れて立ち上がる。



「泉さん、座りなさい。ね?」



 私に逆らえない先生が、泣いた子どもをあやすように私に優しく声をかけた。


 でも私は完全に無視。



「翠子のこと、音痴とか言わないでよ!」


「ちょっ、由真!?」


 席の近い翠子がやってくる。


「・・・いや、音痴でしょ」


「確かにぃ~」


 スッと音もなく現れたのは、秋間今日子と吉田奈美だ。


 涼馬くんに、我先にと声をかけていた子。



「翠子は音痴じゃないよ?」


「何よ泉サマ。
耳が聞こえないの?」


「耳鼻科行った方がよろしいんではありませんか?」



 むき~!


 ムカつく野郎だわ!


 野郎じゃないけど。