「由真・・・。
大丈夫?」


「翠子・・・。
大丈夫だよ?」



「そう・・・。
なら、良いんだけど」



 俯いてしまう翠子。


 そんな顔、しないでよ・・・。


 翠子のそんな表情、見たくないよ・・・。



「由真。
次移動だよ。行こう?」



「移動?
次の授業なんだっけ?」


「忘れたの?次は音楽だよ。
歌のテスト、嫌だよねー」



 ・・・歌のテスト?



「もしかして忘れてた?
今日は歌のテストやるって言っていたよ。
皆、朝から練習しているんだよー?

もしテストに不合格だったら、居残りで補修だからねー」



 居残りで補修!?


 そんなの嫌だよぉ~!!



「翠子!
今から教えて!
私、合格してみせるから!!」