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「はぁ・・・」
お父様の部屋から自分の部屋へと続く長い廊下を、私は溜息をつきながら歩いていた。
さっき、お父様の部屋に行ったものの、お父様が仕事で屋敷を留守にしていたため、会えなかったのだ。
お母様やお兄様のもとへ行っても、今はいなかった。
お母様は社長夫人が集まるパーティーへ行くために、現在は車内の中。
お兄様は今の時間、大学の講義中。
使用人たちが住む寮へ行っても、誰も涼馬くんの行き先を知らなかった。
そもそも涼馬くんは、他の使用人たちと必要最低限話さなかったみたい。
そのためか、特に親しい人物はいない。
涼馬くんのメアドやケー番を知る人もいなかった。
実は私、涼馬くんときちんとメアドやケー番を交換していないの。
その前に、涼馬くんが携帯電話を持っているかどうかさえも知らなかった。
・・・でも、昨日涼馬くんは緑さんと電話していた。
涼馬くんの部屋の中に電話機は置かれていないから、多分携帯電話を使って電話していたんだと思う。
気が付くのが遅いよ、私。
もっと早く気が付いていたら、メアドやケー番を交換出来ていたのに。
交換していたら、今連絡出来たのに。


