涼馬くんはそのまま私を、ベッドの上に寝かせた。


「少々このままでお待ちください。
じっとしていてくださいね?」


 優しい台詞も、表情と冷たい口調で水の泡と化している。


 もう少し優しい眼差しや表情で言えたのなら、良いんだけどねぇ。





 数分待っていると、何も変わらない涼馬くんが入ってきて、私に近づいた。


「どうぞ」


 渡されたのは、体温計。


「これで熱がありましたら、お休みなさいませ」


「心配性なんだね、涼馬くんって。
そんなに心配しないで良いんだよ?

私、風邪引いたことないし。

学校休んだことはあるけど、殆ど泉家のパーティーとかだもん。
風邪は今まで引いたことないんだよー?」



 私はふふっと、自慢げにほくそ笑む。


 だって、本当のことだし、私も自慢として扱っているんだもーん!





 しかしそのわずか数分後。


 私の密かな自慢は、砕け散った。



「38度2分。
完全な風邪でございますね。

今日は学校をお休みください。

今から隆也様の元へ行き、このことをお伝えして参りますので、安静にお過ごしくださいませ」