慶喜「別れは言わん。お前が死んでも駆け付けられん」
莉奈「はい」
慶喜「明日の夜……必ず俺にお休みと言え」
莉奈「はい!!!」ニコッ!
慶喜「愛してる」
莉奈「あぁ……。はい……。
知れば迷い、知らねば迷わぬ恋の道」
慶喜「……………………………。
また始まった………。豊玉か?」
莉奈「はい。豊玉発句集は読んでると楽しいです」
慶喜「…………………。そうか……」
莉奈「はい。部屋へ戻りませんか?」
ギューーーーーー!!!
莉奈「それは総司が怒りますから止めて下さい」
慶喜「生き延びろ。必ず………」
莉奈「何度も言いますが、死ぬつもりは無いんです。みんなと同じです。ただ、私は辞世の句が読めないから……
自分の気持ちは伝えておきたいんです」
慶喜「だが……明日はお前に会う刻は殆どない……。不安にさせないでくれ」
莉奈「もす」
慶喜「……………………………。」
莉奈「今日の慶喜は格好良かった」
慶喜「いつも格好良いんだがな……」
莉奈「……………………………。部屋へ戻りましょう……」
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部屋へ戻ると幹部会は終わっていた
総司と二人きりで部屋の外の縁側に座った
二人並んで座り、莉奈は総司の肩に頭を乗せた
総司は莉奈の肩を引き寄せた
総司「敵が元仲間って……嫌だね……。
本気で戦うけどさ……」
莉奈「不安?」
総司「敵に対してじゃなくて、莉奈の事が心配……。さっきも見たでしょ……。
奴らには莉奈への殺意しかない。
今までよく手を出さなかったよね……。
いつもフラフラしてたんだから、彼等を刺激して殺られてたかもしれないと思うと鳥肌が立つ……」
莉奈「そうだね……。
私、宗次郎くんの所に行ってくる。先に寝てて…………………。」
総司「一人に出来るわけないだろ〜?」
莉奈「…………出来れば一人になりたかった」
総司「…………………泣きたいの?」
莉奈「……………………………。」
総司「僕は夫だから行くから………泣いて良いよ。 ただ、明日の朝からは駄目だよ……」
莉奈「うん」
二人は納屋へ入った。総司は藁の上に座り、莉奈は宗次郎くんの鼻を撫で、首に抱き付いた
パラパラパラパラ ザーーーーーー
総司は黙って莉奈を見ている

