山南さんが脱走すると言われていた2月23日を過ぎたので莉奈は一人で宗次郎君に乗って帰った


総司とはまた涙涙のお別れだったが、また直ぐ戻ると冷やかされながら皆に見送られながら御所へ戻った。


慶喜には会い辛いから、そのまま家に戻った


莉奈「ただいまぁ〜」


時「お帰り〜〜」


莉奈「っっっ!!! 肥えたね〜〜!」


美菜「お帰り〜。肥えたやろ?食べ過ぎなんよ……」


華「あかん言うても聞かへんしなぁ」


莉奈「へ……ヘェ……。」


時「もう体は大丈夫なん?」


莉奈「うん。もう元気!慶喜怒ってるよね……?」


美菜「何したん? 口も聞かへんよ?」


莉奈「言えないけど…相当なんだね?」


時「謝った方が良いで?」


莉奈「いや…謝らない。てか…謝るのもおかしいんだよね……」


華「え?」


莉奈「まぁ、良いや……。明日からまた働きますか……。」


慶喜がいなくても出来る仕事……何だろう……


孝明天皇は会ってくれるかなぁ〜。


坂本さんの宿…何処だったかな……。


西郷さんや松平容保なんか何処にいるのかさえ知らない。


慶喜無しでは私は何も出来ない……。


でも……謝るのもおかしいよね。


仕方ないので剣の稽古と、馬上の剣を付けて貰い、一日を終えた。


翌日は孝明天皇に戻った事を伝えて貰うように頼むとすんなり通して貰えた。


莉奈「身体を治し、帰って参りました。また宜しくお願いします」


孝明天皇が三度「おもてを上げよ」と言い、莉奈は頭を上げた


莉奈「ほとがら撮りませんか?」


孝明天皇「断る」


莉奈はスマホのモードを切り替え、天皇の横に座った


莉奈「撮りますよ〜。笑ってぇ?」


パシャ


莉奈「見て下さい」


孝明天皇「……………………………。」


莉奈「固いですね…。まぁ良いです。また会う度に撮りますから」


天皇「挨拶は済んだのだから戻れ」


莉奈「一つ。聞いても宜しいですか?」


天皇「暇ではないのだぞ?」


莉奈「天皇の夢や願いはありますか?」


天皇「日本国の平和。それしかないだろ」


莉奈「私も同じです」ニコッ!


天皇「ふっ!面白い奴だ」


莉奈「ふふふ。そうですか?」


天皇「開国は……大変だぞ?」


莉奈「そうですね。私の時代の天皇は各国を飛び回ってます。貧しい国へ行けば子供達の手を取り、励まし、金を渡し、薬を渡しています。」


天皇「……………………………。」


莉奈「それも、80歳位のお爺ちゃんですよ? いつもニコニコして…本当に優しそうな人です。 日本の頂点なのに、威張り散らすことなく、低姿勢で。だから日本中の皆から愛されてるんだと思います」