お風呂に入り、髪を乾かす莉奈……。


慶喜「莉奈……良いか?」


莉奈「駄目です!!!」


スーーーーーー


莉奈「聞いてた?駄目です!!!」


慶喜「席を外してくれ」


莉奈「ダメダメダメダメ。三人は此処にいて」


慶喜が三人を睨むと三人は立ち上がった。


ならば莉奈も……と、莉奈も立つと慶喜に腕を掴まれた


莉奈「隣の部屋にいて。襲われたらすっ飛んで来て!良い?」


三人は頷いて出て行った


莉奈「次何かしたら今度こそ握り潰す」


慶喜「どうすればお前の心を手に入れられるんだ」


莉奈「手を離して。強いて言うなら……総司に出会う前に戻れば……。

つまり、不可能と言うことです。

総司が死んだら私も死にますから…彼を殺したら逆効果ですよ」


慶喜「……………………。くそっ!」


莉奈「総司を殺そうと思ったんだ。
それよりさ……奥方様の良い所を見つけ、愛してあげて下さいよ」


慶喜「許嫁だ。 勝手に決められた相手を愛せるかっっっ!!!」


莉奈「可哀想ですね。 奥方様が……。
地位と名誉があっても、女としての幸せは無いのですね」


慶喜「分かっていて夫婦になってる筈だ」


莉奈「努力もしないのですか?政略なら政略で、歩み寄ろうとはしないのですか? 妻すら幸せに出来ない男が民を幸せに出来ると思ってる?」


慶喜「(イラッ!)お前が正室なら愛せたし、大事にする自信もあった」


莉奈「あんなに美しい方なのに……」


慶喜「煩いっっっ!!!」


莉奈「美しい側室も沢山いるじゃないですか」


慶喜「俺が欲しいのはお前だけだ」


莉奈「私が欲しいのは総司だけです」


慶喜「俺に何が足りないっっっ!!!」


莉奈「総司じゃない。ただそれだけです」


慶喜「あんな糞餓鬼に負けるなど……」


莉奈「総司を悪く言わないで。総司が悪い訳じゃないし、好いてるって最初に言ったのは私だしね………」


慶喜「っっっ!!! お前から言ったのかっっっ!!!」


莉奈「酔ってたしね」


慶喜「呑めるのか?」


莉奈「いいえ……呑まされたんですよ。吐きまくりですよ」


慶喜「……………………………。
汚いオナゴだ………」


莉奈「呑むと大抵吐くので総司が担いで厠へ走ります」


慶喜「……………………………。
俺には出来ない………」