雨が降っているから起きたのだと察した慶喜が莉奈の家に来た


慶喜「莉奈……。起きたか?」


莉奈「あい…………………」


スーーーーーー


慶喜「やはり泣いていたか……」


莉奈「もう屯所が恋しい……。起きた時の空気や匂い、色。何をとっても違う」


慶喜「其れなりの物を用意したんだが」


莉奈「…………………彼らが居ない」


慶喜「あの暑苦しい幹部達か?」


莉奈「あの暑苦しさが……私の癒しなんです」


慶喜「……………………………。」


莉奈「もうじき御所で戦が起きます。
新撰組を蛤御門へ配置して下さい。私も彼らと戦います」


慶喜「ならぬ」


莉奈「何が?」


慶喜「お前を戦には出さない」


莉奈「蔵に閉じ込めとけば?」


慶喜「あぁ。そうする」


莉奈「新撰組は蛤御門へ……」


慶喜「分かった」


莉奈「抜け出しても文句言わないでね?」


慶喜「抜け出せるほど甘い錠ではない」


莉奈「ふふふ。抜け出したらお仕置きはなしね」


慶喜「鼠小僧か?石川五右衛門か?」


莉奈「何ですか?」


慶喜「知らぬのか……。盗っ人だ」


莉奈「私がいつ盗っ人になると言いました?」


慶喜「忍び込むのがうまいんだ」


莉奈「忍び込むどころか逃げ出すんですよ?」


慶喜「…………………………。
もう良い。疲れた。 体は平気か?」


莉奈「十二単なんか着せるから悪いんですよ?」


慶喜「分かった。分かった………」


莉奈「ねぇ……仕事して………」


慶喜「平岡らに動かせておる。」


莉奈「人任せですか……」


慶喜「失敬なっっっ!!! 天皇には俺が会う。」


莉奈「早く文書くなりしなよ」


慶喜「文は書いた。」


莉奈「じゃあ……正室なり側室なりお好きな方の下へ……。私には美菜達がいるから大丈夫です」


慶喜「側室にならないか?」


莉奈「力が消えても良いんですか?」


慶喜「いや。それはいかん。だが…お前を抱きたい………」


莉奈「(ブルブル)…………………。
身震い…………………。」


慶喜「……………………………。
牢にいれるぞっっっ!!!」