土方「こいつに酒を飲ませないで頂きたい……体が受け付けないようなので」


慶喜「分かった」


土方「体の関係も」


慶喜「分かっておる」


土方「悲しい想いはこの別れだけで十分! 御所では姫のような待遇をお願い致します」 深々と頭を下げる土方


私のために頭を下げないでってば!


慶喜「御所の敷地に小さいが別宅を用意した。厠も風呂も土間も好きなように使えるようになっておる。侍女を三人就かせる。お前と同じ年頃だ………。

外出には俺の家臣を五名つける。着物や香は準備してある」


三人は目を見開いた


本当に姫じゃないかっっっ!!!


莉奈は横に大きく首を振る


近藤・土方はウンウン首を縦に振る


莉奈「やり過ぎですっっっ!!!」


慶喜「御所に来ると言う事はそうゆう事だ。 では参るぞ!」

慶喜は後ろに座っている家臣に目配せをした


家臣が出したのは…………金…………


しかも……半端ない額………。


三人は食い入るように小判を見つめる


莉奈「これは……私の……値打ちですか?」


慶喜「足りないか?」


莉奈「はい。全然」


近藤・土方「こらっっっ!!!」


慶喜「何が必要だ」


莉奈「屯所が手狭なんです。御所の近くに大きな屯所を………。それから……最新式の銃と大砲を………」


慶喜「……………………………。
おい……調子に乗るな………。」


莉奈「あなたは……新撰組の強さと団結力を知らないでしょう……。彼らは……あなたの為に命かけてますから……。

私の力ではなく、これは幹部達が作り上げてきた賜物です。私が来た時からこうでしたから」


慶喜「ほぅ………」


莉奈「幹部は皆、免許皆伝ですよ?荒くれ者の集団ではなく……私の世では…武士よりも武士らしかったと……世に伝わってます」


慶喜「良かろう。お前の駄賃を大分下げるぞ」


莉奈「駄賃?お小遣い貰えるんですか?」


慶喜「何だ……いらないのか?」


莉奈「いります!いります!あともう一つ良いですか?」


慶喜は眉間に大きな皺を作った。


莉奈「凄く有名な医者を新撰組につけて欲しいんです。健康管理や、食べ物に気を付けたり、斬り合いになり、怪我をした時に、医者を呼びに行かずに済むように………」


慶喜「それなら良かろう。お前自身の望みはないのか?」