一「お前っっっ!!!自らを犠牲に…」


莉奈「そこまで重く捉えてはいないけど…、まぁ…望んで行く訳じゃないかな」


一「誰もその様な事は望んでない!!」


珍しく声を荒げる一。


莉奈「私が拒否したら幕府は黙ってない筈だよ? 新撰組にこれ以上の迷惑はかけられない……。 それに、直ぐに絶対戻ってくるから!!! ねっ?」


頭から手が下ろされ莉奈に体を向け立ち止まる一。


ギューーーーーー!!!


一「何故お前はいつもいつも自らを犠牲にするんだっっっ!!! 馬鹿者!!!」


莉奈「…………………。一?」


一「オナゴなのに…手は男のようにゴツゴツの手にし、剣を握り……大好きな新撰組を自ら出て行く……。何故だ…。
誰も望んでなどいないのにっっっ!!」


莉奈「私にしか出来ないし……。お梅さんに誓ったから………」


一「お梅に?」


莉奈「そう………。だから…大丈夫!」


一「お前は……強いな……」


莉奈「弱いから泣くんです」


一「お前は弱いから泣くんじゃない。強いから泣くんだ」


莉奈「また……名言が出ましたね」


一「弱い人間はそもそも戦おうともしない。 オナゴなら尚更だ。だが…お前は……泣いても叫んでも戦いから逃げない。 始めからだ。 それはお前が強いからだ。 分かるか? 泣いても叫んでも目の前の事から逃げ出さない奴が強いんだ」


莉奈「ヤバイ……泣きそう………」


一「駄目だ……。雨が降る。耐えろ」


莉奈「ムリ…………………」ポロポロ


ポツ ポツ ポツ ポツ


一「泣くなと言った筈だが……」


莉奈「一が泣かせたんだよ……。
努力が報われるって、こうゆう事を言うんだね……。今、脱力感でいっぱい」


一「……………………………。
俺にお前が守れたらな…………」


莉奈「一は新撰組と会津を守って……」


一「…………………。知ってたのか?」


莉奈「黒谷?」