顔の傷も治り、スッカリ元通り美しい顔に戻った莉奈。


そろそろ………準備しないとな!!!


総司をサプリ漬けにし、免疫力を高め、本格的な予防を始めた。


池田屋事件の二ヶ月前……………。


一に付き合ってもらい、医者へ、滋養強壮の漢方を貰い、予防策を学びに何度も通った。


一は口が固いから総司が労咳に掛かる事を話した。


一「健気だな……………」


莉奈「総司には絶対バレたくないの…」


一「ふっ!分かってるよ」
一は莉奈の頭に肘を置きながら歩いている


莉奈「付いて来てくれるのは感謝しますが……肘を置くのは止めてくれませんか?」


一「良いだろ。これ位……」


莉奈「…………。聞いて良いですか?」


一「何だ」


莉奈「斬り合いでの居合は、返って不利になりませんか?いちいち刀に収めてたら……斬られるじゃないですか……」


一「居合は、相手に斬り合いは望んでない事を無言で知らせる為でもあり、相手が斬り掛かって来た時に素早く抜刀する作業こそ、遠心力が一番出る時。

すなわち殺傷能力が一番強くなる瞬間だ。 お前もやってみたらどうだ。藁を用意してやる」


莉奈「ありがとうございます。長年の疑問が解けました」


一「聞けば良いだろう」


莉奈「そうですね………。スミマセン」


一「謝る事でもない」


莉奈「斬り合いに私が出るようになったら……今まで習って来た技がちゃんて出るのかな………」


一「…………………。出ないな……。
斬り合いはな……無我夢中で斬りまくる。相手がこう出たらこう切り替えそうなんて考える余裕もない……ただ…斬る」


莉奈は目を見開いて一を見た


莉奈「無敵の剣の一が………
無我夢中………」


一「そうだ」


莉奈「驚いた………。」


一「お前も戦に出るんだろう?」


莉奈「え?」


一「戦に出るつもりで剣を握ったんだろ?」


莉奈「一には何でもお見通し?」


一「何かを守りたいという気持ちが出てるからな。総司の為だろ?」


莉奈「まぁ…。勿論総司の為でもあるけれど………新撰組を守りたいんです」


一「お前の野望はデカイな………」


莉奈「じゃなきゃ、わざわざ行きたくもない御所に行く訳ないじゃん」はは


今度は一が目を見開く番だった


莉奈「新撰組なんてどうでも良いと思ってたら、御所なんか行かないでずっと総司の側にいたい」