部屋に戻って、携帯を見た。


…着信 10件


全部、遥香から。

……私、なんかしたかな。

怖くなってきた。


――チャララ~ララ~♪チャララララ~♪

また、着信が鳴った。


「もっ…もしもし。」

私は、恐る恐る出た。

「もしもしー?どこ行ってたの?
何があったのよ!?」

遥香が言う。

何があったのって聞きたいのは、こっちです…。


「何の事…?」

「何の事ってとぼけないでよっ!

愁二君と何があったかと、さっきまでどこに行ってたのよっ!」

あぁー。まだ、言ってるのね…。


「早く教えなさいよ♪私、眠れないっ!」

眠らないでいいよ…。

しつこ過ぎる。


「分かった。教えるよ……。」

「粘ったかいがあるわっ!
隠さず全部教えてねっ♪」

粘り過ぎじゃないかな…?

「うん。長くなるよ?」