★甘えん坊な彼★~夢璃争奪戦~

「キレてねぇから。
それに、俺のせいだろ。」

戒斗が、笑って言った。

「なっ…なんだ。」

ホっとした…。


――ガラっ

廊下の奥の音楽室でドアが開く音がした。

「廊下に立っときなさい。」

音楽担当の先生が言った。

「はいはい。」

愁君だ…。

「だるっ…。」

愁君が言った。

それを私はずっと見ていた。


「あ…。」

目が合った。

けど、愁君はすぐ逸らしてドアに寄りかかり座り込んだ。


私のせいで遅刻したから?

だから、怒ってるのかな。


「昨日から思ってたけど、アイツ夢璃のなんなの?」

戒斗が聞いてきた。