「おい。お前も遅刻だろ?」
「…あ、いたんだ。」
何言ってるんですか、この人。
「お前、ワザとか?」
先生がどんどん怒る。
絶対、ワザとだよね…。
「ワザとじゃないっスよ。
今、気づいた。」
お願いです…。
先生をこれ以上怒らせないで下さい…。
「2人共、廊下に立っとけ。」
――ガラっ。
虚しくも、ドアが閉められた。
ガーン…。
「ったく。面倒くせっ…。」
戒斗が言った。
「面倒くさくしたの戒斗でしょっ。」
私は、思わず言ってしまった。
「は?」
戒斗がこっちを向いた。
「うっ、嘘っ。嘘嘘っ!嘘ですっ!」
私は、必死に首を横に振って否定した。

