「早くしなさいっ!愁二君、ごめんねー。」


うるさいな…。


「あ、土曜日出かけるんでしょ?
早く、言いなさいよっ♪」

お母さんは、笑顔で言った。

ちゃっかり、許しもらってやがる…。


「行ってきます。」

お母さんの言葉を無視してドアを閉めた。

「おはよー。」

そう言って、いつものように抱きついてきた。

「おはよ。」

なんか疲れて、離れてなんて言う気力もない。


そういえば今日は足が重く感じる‥‥。

「夢璃、大丈夫?」

目の前で手をひらひらしてきた。

「大丈夫っ…。」

私は、笑って言った。


「もう、遅れるねー。」

他人事に聞こえるのは私だけ…?

「走っても間に合わないし……。
ゆっくり、行こっか。」

本当は、遅刻なんて嫌だけど今は走りたくなかった。