――夢璃――

「はい。」

――ガチャっ

ドアを開けると、
一番会いたかった人が立っていた。

「………。」

…愁君だ。

「…久しぶり?」

愁君が言った。

「久しぶり…。」

私は言った。


「あのさ…、返事決まった?」

愁君が聞いてきた。

「……え。その…。」

戸惑っていた。


けど…、分かった。

この気持ちがきっと…。

「…アイツが好きなんでしょ?」

愁君が言った。

「え…?違…。」

私が言おうとした時、

「行けば…?アイツのとこに。」

え……?

「俺の事はいいから。」

愁君が笑って言った。

…違うよ。


なんで…?

涙をこらえていた。

愁君が分からなくて。

考えてる事が全く分からなくて。

そうしてたら、愁君が出て行った。