「なんでだよ。」

戒斗が言った。

「戒斗が、はいって言ったら
なんか、おかしい……。」

私は言った。

「あっそ。」

「怒ってる?」

私は言った。


「……俺って怖い?」

いきなり戒斗が聞いてきた。

…怒ってないね。

「……怖くないよ。」

私は言った。

「いつも、怒ってるとか
聞いてくるくせに。」

そう言って、私の頭に手を置いた。

「だって、怒ってるっぽい…。
けど、怖くないよ?」

私は言った。

「なら、いいや。
言っとくけど、俺めったに怒んないし。」

「嘘っ!」

思ったことがそのまま出てしまい
口を押さえた。

「別に嘘ならそう思っとけば、
いいんじゃねぇの?」

戒斗が私を見下ろしながら言う。


「い、いや…、さっきのは……。
お、思ってる事と反対の言葉がその…。」

私が焦って言った。

「嘘だって……。
夢璃って、反応面白いよな。」

戒斗が笑いながら言う。

反応が面白いって…。