最初にみんなが言ったのは言うまでもなく大島の存在だ。


「その人誰ですか」とか。

だいたい予想はしていたけど。


「あ、僕桜楽ちゃんの先輩で大島 翼です。そして──」


私は、それを聞いた時聞き返しかけた。

多分、私が連れてきたっていうのもあるけど、どこかで少し……ほんの少しだけ大島に心を許してたのかもしれない。


その言葉を私は信じたくなかった。