真面目君の綺麗事理論

中に入るとたくさん人が居た。

まあ、集会なんだから当たり前だけど。


「あ、桜楽さ──誰!?」

「先輩」

「どうも、いつも桜楽さんにはお世話になってます」


丁寧に私の先輩だってだけで深々と頭の下げたこの人は龍桜の下っ端……って言ったら舞里愛は怒るから仲間。

実際仲間だしね。


まあ、今はその舞里愛もいないけど…。


「どうも、いつも桜楽ちゃんをお世話してます。大島 翼です」


もう一人深々と頭の下げたこの人は──


「おい。どさくさ紛れてなにしてんの」

「いや、あの……」


胸ぐら掴んで聞いたら顔が青ざめた。

私コイツにだったら勝てるかも。


「私お世話された事ないけど」

「あ、はい。した覚えもないです」

「……なんか、仲のいいカップルみたいですね!」

「いやん」


大島を紹介した時に丁寧に深々と頭の下げた人が問題発言をした。

私たちがカップル……?


この見た目詐欺師のコイツと…?

ストーカーでもあるコイツと……?

オカマ顔負けの声で「いやん」と言ったコイツと……?


「ストーカーは否定出来ないかもだけど見た目詐欺師でもオカマでもないよ!」

「そこは嘘でも否定しろよ」

「やだよ。僕桜楽ちゃんの事好きだもん」

「いや、意味わかんないから」

「意味わかって。てか僕の愛の告白スルーしないで」