愛してる。とか言わないで

「別にそういうんじゃないし…」



冷蔵庫を開けて、ペットボトルに手を伸ばした。



「嫌なことがあるといつも物置に隠れたまま出て来なくなって…そうなったら絶対楓くんじゃなきゃダメだったのよねぇ…。楓くんに秘訣でも聞いてみようかしら」


秘訣⁉︎


私は動揺してペットボトルを危うく自分の足に落としかけた。


「ちょっと出かけてくる…」


母親から逃げるようにして家を出た。



試合会場への道のりの中で、友也を思い出しては切なくなり、楓とのキスを思い出しては動揺して、心の中は大忙し。


いつの間にか着いていた。


サッカーに詳しいわけではないけど、楓の試合はいつもドキドキして、どんどん白熱して終わる頃には私も汗をかいてたりする…



でも、今日はいつも見る楓とは違う…



なぜか微妙に意識してしまう。


違う目で見てしまう自分がいる。