愛してる。とか言わないで

楓はゆっくりと離れて、私を見た。



「俺がお前のそんな姿見たくないんだよ…」



そう言って部屋を出て行った。



私は泣くのも忘れてしばらくベッドに座っていた。



キス?



私、楓とキス…した?



子どもの頃に泣くとしてくれたほっぺにチューとは違う…キス。



楓にキスされたぐらいでこんなに動揺する自分にさらに動揺した。



久しぶりにカーテンを開けると、空は晴れ渡って、暖かい陽射しが差し込んだ。


「今日試合って言ってたなぁ…」



私は、パジャマ代わりのジャージから着替えて出かける支度をした。



久しぶりに部屋から出て来た私に、



「やっぱり楓くんじゃなきゃダメなのねぇ…昔から」


と、母親が言った。