愛してる。とか言わないで

「どうかした?莉子…」



部屋に戻った友也は私の顔を見てそう言った。



「ううん…何でもない」



私は友也と目を合わせないで答えた。



電話の様子からして、すぐにでも行ってあげなきゃならない感じだった…



電話の向こうで怒鳴り声が聞こえた…



あの人、どうなっちゃうのかな。

このまま友也が行かなかったら…


大変なことになっちゃうのかな。


友也に言わなきゃ。



でも…言ったら、私嫌われちゃうよ…



どうしよう…

迷ってる場合じゃないのに。



「莉子、映画行きたいって言ってたよな?明日、行く?」



こんな時に、友也に優しくされると余計に胸が痛む。



「うん…」



嬉しいはずの言葉が、ただ私を追い詰める言葉になる。



「何が見たい…?」



友也は雑誌を見ながら言った。