愛してる。とか言わないで

「実家に帰ったみたいだけど…今、家に迎えに来てるらしいんだ…」



友也の話では、婚約者は亜美佳さんの親にとても信用されているらしく、亜美佳さんのマリッジブルーだと言いくるめられているそうだ。



「ひどい…」



私は同じ女として、亜美佳さんの身を心配している。


「ちょっと…行ってくるから」



友也は着替えると部屋を飛び出して行った。



一人取り残された私は、服を着ながら、亜美佳さんへの思いやりやいたわりの気持ちと、嫉妬が渦巻いて息苦しくなった。



「結局…あっちが大事なんじゃん」



まるで、売れ残ったパンのように、ポツンと友也の部屋にいる自分が急に惨めになってしまった。