愛してる。とか言わないで

駅まで歩いて行かないといけないし、電車にも乗らないといけないし…



困るよ!!



私がためらうと、楓は玄関でさっきの帽子を私にかぶせた。



「大丈夫…見えないように、俺が守ってやるって」



楓は笑顔で私の顔を見た。


守ってやる…



昔は私よりちっちゃくて、泣き虫で、いつも私が守ってあげてたのに。



いつの間に、こんなに大きくなって…



背だけじゃない。



手や足や背中も…



丸くて女の子みたいだった顔も、今じゃこんなに男らしくなって…



『男』になってる。



私は、改めて楓を見ていた。



「なんか…ついてる?」


楓は振り返って不思議そうな顔をしている。



「寝癖がついてる」



私の言葉に、



「嘘!?どこ…?」



慌てる楓を見ながらお腹を抱えて笑った。