愛してる。とか言わないで

教室へ戻りながら、友也先輩の莉子を見る切ない表情を思い出す。


私も、もっと…

あんな風に誰かに想われてみたい。



私だけを見て、私だけを愛してくれる人を見つけたい。


もう我慢ばかりの恋は終わり。



泰輔は優しいけど、ずるい…



結局、彼女とは別れなかったし。



私を選んでもくれなかった…



彼女がいたって関係ない。


そう思いつつも…



いつか彼女と別れてくれかもしれないとか甘い期待も、どこかでしてた。



私もずるいのか…


あれほど好きになれる人にはなかなか出会えないだろう。


せっかくの好きなら、もっと笑っていられる恋をしよう。



そんな気持ちで教室のドアを開けると、莉子が駆け寄ってきた。



「ちょっと…さっき、隣のクラスの伸吾が来てたよ。那美に何か用事があったみたいだけど…」



伸吾?



誰だそれ…?