キスに秘められた大粒の涙

「先生ー早く転校生連れてきて!!」


「おう、そうだな
おーい
風間入れー」


ドアをこれまたガラリと開けた晃が、教室の中に何の戸惑いもなく、そそくさと入ってきた。

屈託のない表情を浮かべながらも、頭を照れくさそうに掻いている。


少し緊張してるのかな?


「きゃーかっこいい!!」



女子達は、晃の姿を見るなり
大きな悲鳴を上げた。

隣のクラスにまで聞こえる程の大音量。

正直言えば、うざったいと思った。

男子生徒は、どうでもいいオーラを醸し出していて…

時折、悲しい瞳で女子生徒を痛い目で見る生徒もいる。


まさに、早く終われと言わんばかりに…。




「私、好きになりそう」


「風間くんって彼女とかいるんですか…?」



そう言った女子生徒を横目で、交互にチラ見し…
ビシッと黒板を向いて、唾をごくりと飲み込みつつも、晃の返事を待つ。