キスに秘められた大粒の涙

「おぉーい!!鈴、どうしたの?
現実に戻ってこーい」


私の顔の前で、パタパタと手を上下に揺らしている彩那がいた。

勢いよく現実に戻される。


「もう、ビックリさせないでよ!!」


「鈴こそ何かあった?」


「何かって何?」


「なんか、いつも見る鈴より
一段とハキハキしてるように見えるから」


も~彩那には叶わないなぁ。


私のことは全てお見通しみたいに
心の中を見透かされている気がするんだもの。


やっぱり彩那だけには全て打ち明けよう とそう決めた。