カタカタと、いや今の時代はフリック操作というものがあるのでスッスッとケータイ画面に指をすべらせて文字を打つ。

『部活とか、これからの進路のことを頑張りたいから。ごめん、勝手だけど私と別れてください。本当にごめんなさい。』

文字を打ち終わると送信する。

ああーまたやってしまった……

こうやって、別れを告げるのは2度目だ。

1回目は中学の頃、1年近く付き合っていた人に。

2回目は送信した相手、高1の6月くらいから付き合っていた人だ。


本当は部活とか進路のことが別れたい1番の理由ではない。
なら、本当の理由は?

それは……めんどくさいのだ。

毎日のLINEや、デートの誘い、学校で話す時……最初の頃はよかったのだが、だんだんとめんどくさいと感じるようになってきた。

それに耐えかねて、私は今別れを告げた。しかもLINEという、相手の顔が見えない卑怯な手で。

相手には本当に申し訳ないと思っている。

頑張って告白してくれて、私がOKしたから付き合っていたのに無責任だと痛感する。

でも、わからないんだよ。

相手の事で頭がいっぱいになって、ドキドキする。

そんな思い、1度もしたことがない。

そう思えたら、相手の事をもう少し大事にできただろうか。


約9ヶ月付き合った人に別れを告げる今でさえ、涙も出ない自分が嫌だ。






4月1日、私は2人目の彼氏と別れた。

2年生が始まる1週間前のことだった。