「よし。しっかりと掴まるんだよ?」
「…………」
ひっくり返っていた天地がいきなり元に戻る。
やばい……頭に血が上って、クラクラする……。
「瑚琴ちゃん?僕の腰に腕回して?」
バイクの後ろに座らされてるんだ。
目の前の背中に恐る恐る腕を回すと手を思いっきり引っ張られた。
距離なんてもうないよ……これ。
「……あっ、メット忘れてた」
と言う声が聞こえると銀髪くんは前を見たまま手だけを後ろに回してわたしの頭にヘルメットを被せる。
腕……よく回ったな。
「じゃあ、行くよ~」
私がちゃんと掴まってるのを確認してからエンジンをふかして発進させる。
すごく……うるさい音を響かせて。
「…………っっ!!」
思ってたよりも早過ぎてすごく怖くて、目の前の体にギュッとしがみついて目を閉じた。
怖い……。
でも、目の前の体が暖かくてその暖かさが少し怖さを薄れさせてくれた。

