「…ありがと」 日奈多はあたしの頭をくしゃっとなで,そのまま手を出した。 「…ん」 「え?」 「だから,手。出して」 「…っ///」 なんで手出してるのかと思ってたけど,手繋ぐためだったんだ…っ。 分からなくて,恥ずかしい…。 あたしがそっと手を出すと,日奈多はあたしの手を握って歩き出す。 日奈多の手は,冷たくて大きかった。 “手が冷たい人は心が温かい” 今は信じられる気がした。